X(旧ツイッター)で拡散された看護師名乗る匿名アカウントの投稿をめぐり、千葉大学医学部附属病院は調査結果を公表しました。
病院は、2025年1月9日に当院の看護師を投稿者として特定し、自宅待機とした一方で、患者に対する不適切な対応を実際に行ったことを示す証拠は確認されなかったと発表しています。
この記事では、問題となったX投稿の内容を整理しながら、病院がどこまで事実を確認したのか、さらに再発防止策として何を打ち出したのかまで、時系列でわかりやすくまとめます。
千葉大学病院Xの看護師は誰?
問題の投稿者について、千葉大学医学部附属病院は2025年1月9日に当院の看護師を投稿者として特定したと公表しています。
ただし、氏名や顔写真など個人が特定される情報は公表されていません。
そのため、現時点でわかるのは、投稿内容や病院発表から読み取れる範囲に限られます。
なお、以下は投稿内容から読み取れる自己申告ベースの情報であり、病院が公式に公表したプロフィールではありません。
- 性別:女性
- 年齢:30歳~31歳
- 職業:看護師
- 看護師歴:8~9年
- 転職歴:あり
- 婚姻歴:なし
- 給与:夜勤込みの月の手取り35万円前後
投稿には「某大学病院 ○○○腸外科のあの医者、●ね」という記述が含まれており、勤務先が千葉大学病院の食道・胃腸外科である可能性が指摘されています。
また、投稿者は患者対応や医療行為について以下のような内容を記載していました。
- 患者への痛み止めを投与したフリをした
- 全介助患者を放置して褥瘡(じょくそう)を悪化させた
- 医療事故やインシデントを隠蔽している
看護師という立場から期待される倫理観や責任感を著しく欠いた投稿内容は、多くの批判を招いています。
自称看護師のX投稿内容
これらの投稿は大きな波紋を呼びましたが、その後の病院調査では、投稿内容どおりの不適切な対応を実際に行ったことを示す証拠は確認されなかったと公表されています。
問題のアカウント「@lililorzlili」と別アカウント「@lililorzlili_」から投稿された一部内容を紹介します。
アカウント「@lililorzlili」はX炎上後削除、その後、別アカウント「@lililorzlili_」に移行して投稿を続けていましたが、千葉大学病院が内部調査を開始したと報じられると、こちらも削除されています。
投稿内容※一部投稿された内容を●で伏字にしています。
2023年1月8日
周りはみんな結婚生活楽しんでる。一方で私は必死に婚活中。先日pairsでようやくいい人に出会えたと思ったら、結局ヤリモクだったし、1人寂しく泣く。何やってんだろ。不幸すぎる。
2023年3月29日
看護師人生7年の中で1番タチの悪い最悪な患者だよ!
少しは申し訳ないって思わないのかよ!〇ね!
優しくできねーわ!
2023年4月16日
同期!患者が転倒しても、他の人が見てなかったら、インシデント扱いの面倒だから、いつも隠蔽にしちゃう!基礎してる看護師と家族まじでの面倒がばい!いつもこっそり捨ててくる!
2023年5月3日
やっぱり私にはマッチングアプリ向いてないかも。
また音信不通になったよ。29にもなってこんなことしてられないよ。
2023年10月12日
あー!いろいろやらかしてしまったよ!
隠蔽してるのバレてなきゃいいなー!
誰も気づきませんように!
2023年10月15日
自分が怒られる、指摘されるのは全ては、その原因となる患者がいるせいだ。
2023年11月12日
インシデントおきても普通に隠蔽してしまう
2024年2月23日
「比」
「●」
「4」
「●」
2024年2月23日
「●も毛 4●」
2024年2月24日
「世界で一番4●で欲しいわ、ひけ」
2024年4月7日
「某大学病院 ○○○腸外科の
あの医者、●ね」
「あーなんで、同じな医者どもが来たんだよ、まじで電車に轢かれて●ねばいいのに」
「ぬ ● 〇 ●ね」
2024年4月16日
「体位交換も面倒だからいつもやってない。放置してる。」
2024年4月23日
「ナースコール連打の患者に暴言吐いちゃったわ。
どんな内容かはここでは言えない。自分でもびっくりした。
それほどイライラしてた。」
2024年8月22日
「夜勤月に5、6回+残業代込みで毎月手取り35万はいってる」
2024年9月20日
「患者のためじゃない!自分の金のため!隠蔽だってたくさんする!」
2024年10月12日
「あー!いるいるやらかしてしまったよ!隠蔽してるのがバレてたまきゃいいなー!誰も気づきませんように!」
2024年11月10日
「この夜勤で一度もオムツ内確認せずサボってたら、
見事にシーツまで使えまみれになってた!
そのまま日勤帯にお願いした!笑」
2024年11月11日
「患者の口腔ケアなんてやるわけねーじゃん!
まじめんどーだわ!」
「体位交換もサボりすぎたら誤嚥発生させたわ」
2024年11月15日
「私はADL自立、既往歴なし、持参薬なしの患者しか相手にしません!実は全介助の患者は放置してます!体位交換、口腔ケア、清拭はいつもやったフリだけしてます!」
2024年11月16日
「飲ませるの面倒だからいつも飲ませたフリをしてこっそり捨ててる」
2024年11月19日
「忙しすぎてナースステーションに誰もいなくて、モニターずっと鳴ってたらしく、
誰も気がつかなくて、見事に心停止になってた!」
2024年11月20日
「あーーあーーあーー!
このまま誰も気が付かずインシデント隠蔽できそうだったのに、気づかれてしまった。
言い訳を必死に説明している時の自分まじで挙動不審だったわ。死にたい。」
「元々レベルの低い病院で勤務してたから、そんなに能力はない。
知らないことばっかり。今の病院はレベルが高い。習ってないことばかり。」
2024年11月27日
「また一匹クレーマーが入院ね。目の前で苦痛訴えようと会釈腹立つ!だから私はいつもでは、痛みってないという風にみんなに伝えて、痛み止めの依頼もしないのよ」
2024年12月1日
「患者から痛いと訴えてあっても無視してる。
医師に報告とか面倒だし、新しい指示出て処理するのも面倒だし。」
「自分が良ければ、患者はどうなったっていい。」
「患者が熱発しててもいつも医師に報告してない。
採血追加になるのとかまじ面倒だし。基本自分が最優先!!」
2024年12月5日
「やべ、ニカルピン急速投与してしまった。」
2024年12月13日
「やってしまった。HCV陽性患者の採血した後の針で自分の指に針刺してしまった!
でもどーせ、自分は独身だしいいことひとつもないから、感染して死んでもいいや。
ちなみに針刺ししたこと誰にも報告してない。」
「自分はただただ目的もなく生かされてる。
仕事以外何も予定はない。今後もない。
自分は発言が下手くそでつまらないだから、友達も離れていく。
生まれてからずっと独身のまま。
ずっと家にいると気が狂いそうだから、生きるために1人寂しく財布と携帯を持ち時間潰しのために買い物に行く。」
2024年12月15日
「予後1ヶ月なのになぜDNRをとらない?
どうなっても知らねーからな。蘇生してやんねーからな。モニター付けずに放置してやるからな!」
2024年12月16日
「やべー!普通に嘘ついてしまった。
患者の主治医不在なのに、後から確認するんめんどーだったから、主治医に確認したフリをして、他職種に許可してしまったわ。
今日中に決着つけたかったもん!」
「過剰に痛がってる患者見ると本当腹立つ。
痛み止め医者に依頼するのもめんどーだし、いつも放置してる。」
「患者に、痛み止め何度も要求されて、うざかったから痛み止め入れたフリでもしてやった。」
2024年12月24日
「腹部コンプ塞栓はいつもわざと大きい針で採血してる」
2024年12月26日
「患者の血圧をずっとサボってたら流石に怒られたわ」
2024年12月30日
「全介助、無職になりたーい患者の体位交換とムツ交換面倒だからずっと放置して夜勤勤者としてたら見事にショーツまで尿便吸収してて、そのまま日勤にたくしたら見事に怒られた。しかも携帯も悪化してたらしい」
2025年1月2日
「ターミナルで全く動けない患者の体位交換とか面倒だからずーーっと放置してたら、見事に立派な褥瘡できた。」
2025年1月3日
「患者に痛み止め欲しいって言われたけど、面倒だったから痛み止め入れたフリしたら効いたみたい」
2025年1月4日
「プリンペランを投与してたつもりが、間違えてラシックス投与してた!
因みにダブルチェックは面倒だからしてない。」
「@lililorzlili_」になってからの書き込み
2025年1月6日
「さすがに炎上しすぎてびびったわ」
「看護師にどんな幻想抱いてるのか知らないけど、こっちも人間だわ」
千葉大学病院、調査対象の職員に自宅待機命令を発表
2025年1月10日、千葉大学医学部附属病院は、看護師を名乗る匿名アカウントによる不適切投稿問題に関する調査の途中経過を発表しました。
同病院の大鳥精司病院長は、自宅待機を命じた職員がいることを明らかにするとともに、今後も内部調査を慎重に進め、必要に応じて外部調査を実施する意向を示しました。
病院長の発表は、投稿内容に対する厳格な姿勢を示すものであり、患者やその家族が安心して治療を受けられる環境作りを第一に考えた対応が強調されています。
病院長のコメントによると、以下の内容が公表されています:
現在、当院に関連すると疑われるXの個人アカウントの投稿について、内部調査を行っています。現時点で調査対象となっている職員については、9日に自宅待機を命じたところですが、まだ断定できる事実はなく、今後も内部調査を慎重に進めるとともに、必要に応じて外部調査も行ってまいります。詳細については、わかり次第、ご報告申し上げます。
また、同病院は患者に向けて以下のようにコメントしています:
当院を受診される患者さんが安心して治療が受けられるよう、職員一同、精一杯努めております。調査結果が出るまで、今しばらくお待ちいただければ幸いです。
この発表を受け、当時はSNSやニュースメディアでも再び注目が集まり、病院のその後の調査結果に関心が集まりました。
自宅待機命令の背景と進展
問題となった匿名アカウントは、2023年から投稿が確認されており、その後、不適切な内容が繰り返し見られるようになりました。
その内容は、患者対応や医療行為に関する重大な倫理的問題を含み、「インシデントを書かない」「薬を飲ませたフリをして捨てる」などといった発言が含まれていました。
これらの投稿内容から、千葉大学病院の看護師である可能性が指摘され、同病院は2025年1月6日から調査を開始しています。
2025年1月10日の時点では、病院は内部調査の途中経過として自宅待機命令を公表していました。
その後、病院は2025年1月9日に当院の看護師を投稿者として特定していたこと、さらに外部有識者を含む調査委員会を設置して2026年3月まで調査を行ったことを第4報で明らかにしています。
調査対象となったのは、522件の投稿のうち、守秘義務や倫理綱領などに抵触する可能性がある142件です。
その結果、病院は患者に対する不適切な対応を実際に行ったことを示す証拠は確認されなかったと結論づけました。
ただし一方で、患者の尊厳を傷つける投稿は倫理的に許されず、看護職への信頼を著しく損なう行為だとして、病院は重く受け止めています。
【最新情報2025年2月10日】千葉大学病院、外部有識者を含む調査委員会を設置
2025年2月10日、千葉大学医学部附属病院の大鳥精司病院長は、問題のX投稿に関する調査について最新の進捗を発表しました。
病院長の発表内容
「当院に関連すると疑われるXの個人アカウントの投稿について、これまで内部調査を進めてまいりましたが、より中立・公正な視点を確保するため、外部有識者を含む調査委員会を設置し、2月7日に第1回会合を開催いたしました。」
「調査結果については、詳細がわかり次第、ご報告申し上げます。」
この発表により、千葉大学病院が単なる内部調査にとどまらず、外部の専門家を交えた公正な調査を進める姿勢を明確にしました。
この時点では、病院は外部有識者を含む調査委員会の設置を公表し、今後の調査結果を公表する方針を示していました。
その後、2026年3月31日の第4報で、病院は当院の看護師を投稿者として特定していたことや、患者への不適切対応は確認できなかったとの調査結果を公表しています。
【最新情報2026年3月31日】千葉大学病院が調査結果と再発防止策を公表
2026年3月31日、千葉大学医学部附属病院はこの問題に関する第4報を公表しました。
病院によると、2025年1月9日に当院の看護師を投稿者として特定し、自宅待機としたとのことです。
その後、外部有識者を含む調査委員会が設置され、522件の投稿のうち142件を対象に、関連資料との照合やヒアリングなどを進めました。
調査の結果、病院は患者に対する不適切な対応を実際に行ったことを示す証拠は確認されなかったと結論づけています。
一方で、患者の尊厳を傷つける投稿は倫理的に許されず、看護職への信頼を著しく損なう行為だとして、病院は重く受け止める姿勢を示しました。
あわせて、管理職向けハラスメント研修、病院長・副病院長への相談ルート確保、心理的安全性を意識した組織づくり、SNSガイドラインの再検証と周知徹底などの再発防止策も打ち出しています。
今回の発表に寄せられる期待と課題
今回の問題で重く受け止めるべきなのは、投稿どおりの医療行為が確認されたかどうかだけではありません。
千葉大学病院は、調査の結果として不適切な対応を実際に行った証拠は確認されなかったとしていますが、その一方で、患者を題材にした投稿や尊厳を傷つける表現そのものが倫理的に許されないと明言しています。
また、報告書では背景要因として、医師の言動によるストレス、相談しづらさ、業務負担の重さ、上位者に指摘しづらい組織文化などが挙げられました。
そのため、この問題は個人のSNS投稿の是非だけでなく、医療現場の職場環境や組織文化をどう改善するかという課題にもつながっています。
今後の焦点は、処分の有無だけではなく、再発防止策がどこまで現場で機能するのかに移っているといえそうです。
まとめ
千葉大学病院のX投稿問題では、病院が当院の看護師を投稿者として特定した一方で、調査の結果、患者に対する不適切な対応を実際に行ったことを示す証拠は確認されなかったと公表しました。
ただし、それで問題が小さくなるわけではありません。患者を題材にした投稿や尊厳を傷つける表現そのものが、医療職への信頼を大きく損なう行為として重く受け止められています。
また、今回の件では、個人の投稿だけでなく、相談のしづらさや業務負担、組織文化の課題も背景として浮かび上がりました。
そのため今後は、処分の行方だけでなく、再発防止策が現場でどこまで機能するのかも重要なポイントになりそうです。
日々まじめに患者さんと向き合っている多くの医療従事者まで一括りに非難するのではなく、確認された事実と確認されていない情報を分けて見ることが大切です。

