2025年3月28日、人気焼肉チェーン「焼肉きんぐ」で発生した嘔吐トラブルがSNSを中心に大きな波紋を呼んでいます。
隣の客が30分以上もテーブル上で嘔吐し続けたにも関わらず、店舗側が適切な対応を取らなかったという投稿がきっかけです。
本記事では、実際の経緯から保健所の見解、そして飲食店に求められる衛生対応まで詳しく解説。
なぜここまで炎上したのか、その背景と問題点を探ります。
焼肉きんぐ「嘔吐騒動」の経緯と現場の状況
2025年3月28日、焼肉チェーン「焼肉きんぐ」で起きた店内での嘔吐騒動がSNS上で大きな話題となっています。
発端となったのは、Threads上に投稿された、ある利用客の実体験に基づく投稿でした。
この投稿者は家族で食事に訪れていた際、隣の席にいた客が繰り返し嘔吐し始め、店側の対応に強い疑問を感じたと綴っています。
その投稿によれば、嘔吐が始まったのは来店して間もなくのこと。
体調の悪そうな隣客が「おえっおえっ」と何度も苦しそうにしており、やがて大きなゴミ袋をテーブルの上に広げ、30分以上にわたり嘔吐を繰り返したとのことです。
店員がその嘔吐者にゴミ袋を渡していたことも報告されており、その行為自体が問題視されています。
来店客が店内で嘔吐、その対応とは?
通常、飲食店において嘔吐が発生した場合は即座に該当者を退店させる、もしくはトイレ等の個室へ誘導し、その後すぐに消毒・清掃を徹底するのが基本的な対応です。
しかし今回のケースでは、そのような措置がとられた形跡はなく、嘔吐者は店内に居座り続けたといいます。
さらに悪いことに、その席の隣にいた投稿者一家は、嘔吐する様子が視界に入り続ける位置に座らされていたため、食事を続けることが非常に困難になったと述べています。
お子様も同席していたため、投稿者一家はそのまま席に残る選択をせざるを得なかったようです。
子どもたちは食事を続けていたとのことですが、隣で嘔吐が続くような状況下での食事は、衛生面だけでなく教育的な観点からも非常に問題があります。
こうした環境に子どもを長時間さらすこと自体が不適切であり、「公共の場でのマナー」や「他人への配慮」を教えるべき場で、正反対の経験をさせてしまったことに対しても多くのユーザーが疑問の声を上げています。
隣席の家族の証言「30分以上テーブルで嘔吐」
この「30分以上、嘔吐が続いた」という証言にネットユーザーは驚きを隠せず、次々にコメントが寄せられました。
中でも「なぜそのような状態で退店させなかったのか」「そもそも飲食店のテーブルで嘔吐を容認するような対応があり得ない」といった意見が相次ぎました。
また、被害を受けた側とされる投稿者が、店員に対して対応を求めたところ、「嘔吐者の席移動を提案したが断られた」と返答されたことも記されています。
その結果、投稿者一家の側が「申し訳ありません」と頭を下げられる形になり、事実上、我慢を強いられる結果になったとのことです。
SNSで拡散される一部始終の内容
この一連の体験談は2025年3月29日に、X上で爆発的に拡散され、現在もトレンドワードに「焼肉きんぐ」「嘔吐」「保健所」といったキーワードが登場するなど、大きな注目を集めています。
中でも「隣で嘔吐してても食べ続けられるのは異常」「ノロウイルスだったら周囲の客全員に感染の可能性がある」といった、衛生面に対する懸念が多く寄せられています。
また、「店舗名を明かさないのはアルバイトの方々が可哀想だから」という投稿者の配慮も注目を集めました。
一方で、SNS上では「特定完了」として名古屋市の店舗名を挙げるユーザーも現れ、現場となった店舗への風評被害や誤認情報の拡散も危惧されています。
この騒動は単なる一飲食店のトラブルにとどまらず、飲食業界全体の衛生管理の在り方や危機対応の姿勢を問うものとして、多くの人々に考えるきっかけを与えています。
店舗側の対応と本社の見解に広がる波紋
今回の焼肉きんぐでの嘔吐騒動において、もう一つ大きく注目されたのが店員や店舗責任者、そして本社の対応の在り方です。
SNSに投稿された内容からは、現場での即時対応の甘さだけでなく、その後のやりとりにおいても誠意が感じられなかったことが、多くのユーザーの反感を買ったことが分かります。
特に、店側の発言として「隣で吐いていても帰るかどうか、食べるかどうかはお客様自身の判断です」という説明がなされた点は、ネット上でも大きな波紋を呼びました。
副店長・責任者の対応に不満の声
投稿者によると、現場で店員に相談をした際、まず対応したのは副店長クラスの人物だったとのこと。
嘔吐している客への配慮も見せず、責任者が不在であることを理由に対応を避け、結果的に30分以上も店内で待たされたと報告されています。
「責任者と電話が繋がらない」「自分では判断できない」という言葉を繰り返され、最終的に副店長からも明確な説明や謝罪はなかったといいます。
さらに、店舗側が嘔吐している客に直接対応を任せるかたちで、「席を移動してもらえませんか?」と尋ねたところ、断られたため、そのまま吐いている客の横での食事を強いられることになったというのです。
この対応に対し、「なぜ嘔吐客の意向を優先し、周囲の安全を軽視したのか?」という声が多数寄せられています。
明らかに、衛生管理と顧客満足の両方の観点で不十分な対応であったことは否めません。
「食べるかどうかは自己判断」発言が炎上の火種に
この騒動をより炎上させたのは、店長(もしくはマネージャー)とされる人物との電話対応中に飛び出した「帰るかどうか、食べるかどうかはお客様の判断です」という言葉でした。
この発言により、「店舗側は何も責任を取らない」「衛生面での配慮が皆無」と多くのユーザーが憤慨。
「このような衛生状態で食事が続けられると本気で思っているのか?」と、信頼を一気に失うきっかけとなったのです。
もちろん、飲食中の体調不良や突発的な事故は店側の責任ではないこともありますが、それに対してどのような誠意を持って対応するかが問われるのが企業としての姿勢です。
今回のように、「お客様の判断」という言葉に逃げ込むような対応では、かえって不誠実に映ってしまいます。
「15%オフ」の補償対応は誠意ある謝罪?
後日、投稿者が焼肉きんぐの本社カスタマーセンターへメールで状況を報告したところ、「担当は現場のマネージャーであるため、彼が対応します」との返答があり、再びその本人が対応を行うことに。
その中で提示されたのが、「今回の件については15%の割引対応をいたします。それ以上に何を求めているのか分かりません」という返答だったとのこと。
これに対しても、SNSでは「お金じゃない」「まずは謝罪だろう」といった声が多数上がりました。
実際、投稿者も「返金や割引は望んでいない。ただ誠意ある対応と謝罪がほしかっただけ」と述べており、ユーザーの共感を集めています。
補償金額の多寡ではなく、どのように気持ちに寄り添うかが問題の本質であるということを、この件は示しているように思えます。
この一連の騒動は、「一部店舗の問題」として片付けることはできず、企業全体の教育体制や対応マニュアルの不備として捉える必要があるといえるでしょう。
最終的には本社の上層部から正式な謝罪も
なお、投稿者のもとには後日、マネージャーより上位の本社関係者から「当社側に落ち度がありました。申し訳ございません」と正式な謝罪の連絡があったとのことです。
当初は「僕が対応します」と繰り返していたマネージャーの姿勢に対し、投稿者は大きな不満を抱いていましたが、最終的に誠意ある人物からの謝罪があったことで「少し心が晴れた」と心境の変化も語られています。
ただ、それまでの対応の遅れや責任逃れに対しては「一貫して納得できない」としており、現場スタッフと本社間の連携不備、そして謝罪までの時間の長さは、企業としての信頼回復において大きな課題であることは間違いありません。
焼肉きんぐが公式コメントを発表、対応の不備を認め謝罪
2025年3月31日、焼肉きんぐを運営する株式会社物語コーポレーションは、公式サイト上で今回の騒動に関する正式なコメントと謝罪文を発表しました。
発表では、問題が発生したのは「名古屋上飯田店」であることを明言し、該当の店舗で2025年3月28日夜に泥酔客による嘔吐行為が発生したことを認めています。
店舗側は、当該客に袋を渡し移動を促したものの、泥酔により断られた結果、店内での嘔吐行為が継続する事態となったことを公式に説明。
さらに、周囲の客への配慮不足、責任者からの説明や謝罪の不十分さ、そしてその後の対応でも誠意を欠いた点があったことを明確に認め、謝罪しました。
また、報告では、翌3月29日の営業前に店内の徹底的な消毒作業(次亜塩素酸ナトリウムによるテーブルや備品の拭き上げ・洗浄等)を行ったことを報告。
保健所への報告と指導も受けたことが明かされました。
さらに再発防止策として、以下の取り組みを公表しています。
- 嘔吐等の緊急対応マニュアルの改訂と従業員への再周知
- 衛生管理・顧客対応力向上を含めた研修の強化と継続実施
今回の件については、店舗責任者の判断ミスや対応力不足だけでなく、企業全体の教育体制にも問題があったと認識しており、社長名義での謝罪をもって今後の改善を約束する内容となっています。
企業としての危機管理姿勢が問われる中、今回の正式発表が信頼回復の第一歩となるか、注目が集まっています。
保健所の見解と飲食店に求められる衛生管理のあり方
今回の「焼肉きんぐ 嘔吐騒動」が大きな注目を集めた背景には、単なるクレームではなく、飲食店における衛生管理と感染症リスクへの認識の甘さが明らかになった点があります。
SNS上での情報拡散を受け、投稿者が後日保健所に連絡したところ、保健所は実際に店舗へ出向き指導を行ったことが報告されています。
ここでは、保健所の見解とあわせて、飲食業界全体が見直すべき衛生管理と感染症対策のあり方について考察します。
保健所の指導内容とは?実際のリスクは?
投稿者が保健所へ報告した内容によると、店内で嘔吐があった場合には本来、感染拡大防止の観点から即時退店を促すべきであるとの指導があったそうです。
特にノロウイルスなどの感染性胃腸炎の場合、嘔吐物からウイルスが空気中に飛散し、周囲への感染リスクが極めて高くなるといわれています。
また、テーブルの上にビニール袋を広げて嘔吐させていた点に対しても、「本来であればトイレなどの隔離された空間に移動させる、または即時に退店してもらうことが望ましい」というのが保健所の判断です。
さらに、店内入口付近に嘔吐物が放置されていたという情報に関しても、「すぐに清掃・消毒を徹底すべきだった」とし、衛生管理の基本的な不備があったことは否定できません。
ただし、保健所の立場からは、「実際に食中毒や感染症が発生していない段階では、営業停止などの強制的措置はとれない」という点も明確にされています。
そのため、今回は行政指導という形にとどまったとのことです。
嘔吐が発生した際の飲食店の正しい対応
飲食店で嘔吐が発生した場合の正しい対応は、厚生労働省のガイドラインでも明示されています。
基本的な流れは以下の通りです。
- 速やかに嘔吐者を退店、もしくはトイレなど隔離された空間に移動させる
- 嘔吐物を触らず、専門的な処理(ペーパーで覆い、次亜塩素酸ナトリウムで消毒など)を行う
- 使用済み物品は密閉して処分、処理者は手袋・マスク着用の上、処理後は必ず手洗い
- 周囲の席や床も含めて清掃・換気を徹底する
- 必要に応じて一時的に営業を中止し、店内衛生を回復させる
しかし、今回の焼肉きんぐでは、こうした対応が適切に行われた形跡はなく、他の客を危険にさらす可能性のある「不作為」が問題視されているのです。
今後の焼肉きんぐの信頼回復に必要なもの
今回の一件は、SNSでの拡散により多くの人々に知られることとなりました。
企業として信頼を回復するには、まず何よりも明確な謝罪と原因の説明、そして再発防止策の提示が必要不可欠です。
また、以下のような取り組みが求められるでしょう。
- 全店舗での衛生マニュアルの再教育
- 嘔吐や感染症に関する対応訓練の実施
- 責任者不在時の対応ルール整備
- クレーム発生時の本社と店舗間の連携強化
さらに、今後はSNS時代において「一件の対応ミス」が企業全体のイメージに直結するため、現場任せではなく、企業全体としての危機管理体制の見直しが必要です。
ユーザーは単に安く美味しい食事を求めているだけでなく、安心・安全な環境で快適に食事ができることを重視しているという当たり前の事実を、改めて企業側が認識しなければなりません。
まとめ
今回の焼肉きんぐでの嘔吐騒動は、飲食店における衛生管理や顧客対応の重要性を改めて浮き彫りにした出来事です。
嘔吐という突発的なトラブルへの初動対応、周囲のお客様への配慮、そしてその後の企業としての姿勢がすべて問われました。
信頼を取り戻すためには、形式的な補償ではなく、誠実な謝罪と再発防止策の提示が不可欠です。
私たち消費者もまた、安全に食事を楽しめる環境を求めて声を上げ続ける必要があります。