2026年1月13日(火)スタートのテレビ朝日系ドラマ『再会〜Silent Truth〜』は、23年前に封じたはずの“秘密”が、ある殺人事件をきっかけに再び動き出すサスペンスです。
火曜9時枠で放送され、主演は竹内涼真さんです。
原作は、横関大さんの推理小説『再会』(講談社文庫)です。
第56回江戸川乱歩賞の受賞作でもあり、「再会」とは裏腹に、物語は穏やかな感情だけでは進みません。
この記事では、原作小説の内容をもとに、あらすじから犯人、そして結末までを時系列で整理します。
ドラマ視聴前の予習にも、視聴後の答え合わせにも使えるよう、読みやすさを優先してまとめています。
※この記事はネタバレを含みます。結末を知りたくない方はご注意ください。
再会のあらすじ(原作)をネタバレなしで整理
まずは「何が起きる物語なのか」を、結末に踏み込みすぎない範囲で整理します。ここを押さえておくと、後半のネタバレ解説が一気に理解しやすくなります。
物語の起点は23年前の拳銃とタイムカプセル
物語の中心にいるのは、小学校の同級生だった岩本万季子、清原圭介、佐久間直人、飛奈淳一の4人です。
彼らは小学生の頃、ある事件に巻き込まれ、拳銃にまつわる“誰にも言えない秘密”を共有することになります。そして卒業式の前夜、拳銃をタイムカプセルに入れ、校庭の桜の木の下へ埋めました。
タイムカプセルには鍵(暗証番号)がかけられており、開け方を知るのは4人だけです。つまり、この拳銃の存在が発覚した瞬間、疑いは外部ではなく「内部」へ向かいやすい構造になります。

最初から「犯人は身内かもしれない」と思わせる仕掛けが強い作品です。
23年後の再会は子どもの万引きがきっかけ
23年後、4人は別々の人生を歩んでいます。万季子は地元で美容室を営むシングルマザー、圭介は東京で建築士として活動、直人は家業に関わり、淳一は刑事として警察署に勤務しています。
そんな中、万季子の息子・正樹がスーパーで万引きをしたことを理由に、店長の佐久間秀之から呼び出されます。万季子は「進学への影響」を恐れ、内密にしてほしいと頼みますが、秀之はそれを弱みとして利用し、要求をエスカレートさせていきます。
追い詰められた万季子は、東京に住む元夫の圭介に相談します。ここで再び、4人の人生が交わり始めます。
殺人事件発生で埋めたはずの拳銃が再浮上
やがて秀之が殺害され、捜査の過程で凶器が23年前に関係する拳銃である可能性が浮上します。
ここから物語は、単なる脅迫トラブルではなく、23年前の秘密と現在の殺人事件が一本の線で結びつくサスペンスへ変化します。
「誰がタイムカプセルを掘り返したのか」という問いが、4人それぞれの人生を揺さぶっていきます。
登場人物と相関関係を先に整理
次に、物語の理解を助けるために人物関係を整理します。『再会』は「過去の関係」と「現在の立場」が複雑に絡むため、相関を先に入れておくと読みやすくなります。
同級生4人組と現在の立場
まずは、秘密を共有した4人です。ここがこの物語の中心になります。
| 人物 | 現在の立場 | ポイント |
|---|---|---|
| 岩本万季子 | 美容師・美容室経営/シングルマザー | 息子の万引きが事件の導火線になります |
| 清原圭介 | 建築士(東京・渋谷で設計事務所) | 万季子の元夫。過去と現在の板挟みになりやすい立場です |
| 佐久間直人 | 家業に関わる(会社の中核) | 秀之の腹違いの弟。家族のしがらみを抱えています |
| 飛奈淳一 | 刑事(捜査側) | 事件を追う立場でありながら、過去の当事者でもあります |

「捜査する側に、秘密の当事者がいる」構造が、緊張感を強くしています。
事件の鍵を握る人物たち
次に、現在の事件を動かす主要人物です。特に秀之の存在が、物語を一気に「暴力」と「脅迫」の方向へ引っ張ります。
| 人物 | 立場 | 役割 |
|---|---|---|
| 佐久間秀之 | スーパー店長(直人の腹違いの兄) | 万季子を追い詰め、殺人事件の被害者になります |
| 松本(今井)博美 | 淳一の同棲相手 | 淳一の私生活に関わり、彼の不安定さを支える人物です |
| 清原和雄 | 圭介の父(23年前の駐在警官) | 23年前の事件の中心人物であり、拳銃の出所に関わります |
| 南良(ドラマ版は理香子) | 捜査一課の刑事(淳一のバディ) | 過去の事件に強い執着を見せ、真相解明を加速させます |
| 小杉房則 | 署長クラスの警察関係者 | 23年前の事件の裏に深く関係する重要人物です |
ここまでが人物の整理です。次の章からは、いよいよ犯人・動機・真相を、できるだけ時系列で分かりやすく解説します。
23年前に起きた事件と拳銃が持つ本当の意味
現在起きた殺人事件を理解するうえで、避けて通れないのが23年前に起きた銀行強盗事件です。
この出来事は、単なる過去の事故ではなく、4人の価値観や人生の選択を根底から左右する「原点」となっています。
銀行強盗事件と清原和雄の殉職
小学6年生だった4人が暮らす神奈川県三ツ葉市で、ある日、改造拳銃を持った銀行強盗事件が発生します。
犯人の大島は現金約3000万円を奪ったうえ、逃走中に発砲し、通行人の主婦を死亡させる凶悪事件へと発展しました。
この事件を追っていたのが、圭介の父であり、地元駐在所に勤務していた警察官・清原和雄です。
和雄は地域の子どもたちに剣道を教える存在でもあり、特に父を亡くしていた淳一にとっては、「もう一人の父親」のような存在でした。

ここでの感情的な結びつきが、後の判断に大きく影響します。
銃声と少年たちの選択
事件当日、4人は外出禁止を破り、川へ向かう途中で銃声を耳にします。
獣道を分かれて進んだ先で、淳一と直人は、撃たれて倒れている清原和雄を発見します。
さらにその先には、逃走しようとする男・大島の姿がありました。
淳一は、和雄のそばに落ちていた拳銃を拾います。吊り紐が短く、中腰にならなければ狙えない状態で、必死に引き金を引きました。
銃弾は大島の背中を貫き、犯人はその場で倒れます。
少年が「人を撃った」瞬間でした。

正義だったのか、衝動だったのか。その判断は一生揺れ続けます。
拳銃の消失とタイムカプセル
事件後、警察は大島の死亡を確認しますが、奪われた現金3000万円は発見されず、さらに和雄の拳銃も行方不明となります。
警察は「共犯者がいる可能性」を疑いますが、捜査は進展しませんでした。
実際には、現場に駆け付けた圭介が、父の拳銃を形見としてベルトから外し、持ち去っていたのです。
この行動は、少年なりの喪失と混乱からくるものでしたが、結果的に大きな「嘘」を生み出します。
4人は卒業式前夜、校庭の桜の木の下にクーラーボックスを埋め、拳銃をタイムカプセルとして封じます。
ダイヤル式の錠をかけ、「二度と開けない」約束とともに、過去を土の中へ隠しました。
しかしこの選択こそが、23年後の事件の引き金となります。
拳銃は、ただの凶器ではなく、4人全員の人生に影を落とす象徴として存在し続けることになるのです。
再会の犯人と動機(原作ネタバレ)を整理
この事件は、掘った人(直人)と撃った人(万季子)が別です。
本文では、掘った人=原因を作った人、撃った人=引き金を引いた人(実行)として分けて整理します。
ここから先は原作小説のネタバレを含みます。佐久間秀之射殺事件の犯人・動機・真相を、「誰が何をしたのか」が混同しないよう、段階的に整理していきます。
内部犯行が疑われる理由
捜査が進み、凶器が23年前に4人で埋めた拳銃だと判明したことで、事件は「外部犯行」ではなく、過去を共有する当事者たちの問題として浮かび上がります。
拳銃を掘り起こした人物は誰か(原因を作った人)
タイムカプセルを掘り起こしたのは、佐久間直人でした。
直人は、腹違いの兄・秀之の存在に、長年苦しめられてきた人物です。
秀之は幼少期に母親に置き去りにされ、荒れた人生を送り、東京では反社会的勢力との関係や借金問題を抱えていました。
それでも直人は兄を完全に見捨てることができず、三ツ葉市に戻ってきた秀之をスーパーの店長として迎え入れるという選択をします。
しかしこの判断が、結果的に万季子や正樹を巻き込み、事態を大きく悪化させていきました。
秀之は、正樹の万引きを口実に万季子を脅迫し、金銭や肉体関係を要求するなど、完全に一線を越えた行動を取るようになります。
その事実を知った直人は、「このままでは兄が誰かを壊してしまう」「止めなければ、取り返しのつかないことになる」という思いに追い詰められていきます。
そこで直人が思い出したのが、23年前に4人で埋めた拳銃の存在でした。
校庭の桜の木の下を掘り返し、クーラーボックスの中から拳銃を取り出した直人は、「これがあれば兄を止められるかもしれない」と考えてしまいます。
この時点で、直人に明確な殺意があったわけではありません。
しかし拳銃という存在そのものが、直人の判断を徐々に歪めていきます。

拳銃は「使うため」ではなく「使えると思ってしまった瞬間」から危険です。
直人は、事件の「原因」を作った人物であって、この時点ではまだ「殺すつもりの犯人」ではありませんでした。
秀之を撃った人物は誰か(実行犯)
佐久間秀之を撃った実行犯は岩本万季子です。
万季子は、息子・正樹の万引きをきっかけに秀之から脅迫を受け続け、精神的にも社会的にも逃げ場を失っていました。
進学への影響、母としての責任、誰にも相談できない孤立感──そのすべてが、万季子を追い詰めていきます。
そんな中で、拳銃が存在する状況が生まれ、万季子は秀之と直接対峙することになります。
恐怖と極限状態の中で、万季子は「守らなければならない」「これ以上壊されてはいけない」という思いに飲み込まれ、引き金を引いてしまいます。
この殺害は、計画的な犯行ではありません。
しかし結果として、万季子が引き金を引いた事実は消えません。
これは「守ろうとした結果として起きてしまった殺害」であり、同時に取り返しのつかない現実でもありました。
拳銃が引き起こした連鎖
重要なのは、掘った人:直人(原因)/撃った人:万季子(実行)というように、2人が同一人物ではない点です。
直人の選択が「状況を作り出し」、万季子の選択が「最終的な結果を生んだ」。
拳銃は、誰か一人の悪意ではなく、複数の弱さと恐怖が重なった末に悲劇を引き起こした存在でした。
刑事として仲間を見送る淳一の葛藤
事件の真相にたどり着いた飛奈淳一は、刑事として極めて過酷な立場に立たされます。犯行の背景にいるのは、少年時代から秘密を共有してきた仲間たちでした。
淳一自身もまた、小学6年生の時に銀行強盗犯・大島を撃ち殺した過去を抱え、その記憶と罪悪感に長年苦しみ続けてきた人物です。
だからこそ、直人の「止めたかっただけだ」という言葉は、誰よりも重く胸に刺さります。
それでも淳一は、刑事として職務から逃げません。仲間だからといって罪を見逃すことは、自分自身が背負ってきた過去を否定することになると理解していたからです。
こうして、23年前から続いていた「秘密」は、ついに白日の下に晒されることになります。
事件は解決しますが、4人の人生が元に戻ることはありません。それぞれが、自分の選択の結果を背負いながら前に進むしかない──それが『再会』という物語の、最も重い現実です。
再会の結末(原作ネタバレ)と4人それぞれの選択
佐久間秀之事件の真相が明らかになり、23年前から続いていた秘密は完全に表に出ます。
しかし『再会』の物語は、犯人が捕まって終わりという単純な結末ではありません。
ここから描かれるのは、「それぞれが何を選び、何を背負って生きていくのか」という、非常に人間的で重いテーマです。

真相解明よりも「その後」が本当のクライマックスです。
佐久間直人が選んだ「逃げない」という結末
腹違いの兄・秀之の死に深く関わることになった佐久間直人は、自らの責任を否定しません。
引き金を引いたのは万季子ですが、直人は拳銃を掘り起こして状況を作った側として、結果の重さから目を背けませんでした。
直人は、「正義だった」「仕方がなかった」という言葉で自分を守ることを選ばず、拳銃を掘り起こし、事件の引き金となる状況を作った側の人間として、裁かれる道を受け入れます。
この姿勢は、23年前に起きた事件で「なかったこと」にされてきた罪と、真正面から向き合う選択でもありました。

直人は最後まで「被害者」であり「加害者」でもあります。
飛奈淳一が下した刑事としての覚悟
飛奈淳一は、刑事という立場で、少年時代から秘密を共有してきた仲間を逮捕します。
それは、誰よりも自分自身を傷つける選択でした。
淳一は、小学6年生の時に犯人・大島を撃ち殺した過去を抱え、PTSDに苦しみながら大人になった人物です。
だからこそ直人の「止めたかっただけだ」という言葉は、誰よりも理解できてしまう言葉でした。
それでも淳一は、仲間だから許すという選択をしません。
刑事として法を守ることは、同時に自分自身が過去に犯した行為から逃げないという決意でもあったからです。
淳一はここで、初めて「刑事である自分」と「少年だった自分」を切り離す一歩を踏み出します。
岩本万季子が選んだ母としての現実
岩本万季子は、事件の直接的な加害者ではありません。
しかし、息子の万引きをきっかけに、脅迫を受け、元夫に頼り、通報をしなかったという選択を重ねてきました。
特に、秀之の遺体を目の前にしながら警察に連絡しなかった判断は、万季子の中に消えない後悔として残ります。
それでも万季子は、母として息子を守るという現実的な選択を最優先にします。
過去に縛られ続けるよりも、「これからどう生きるか」を選ぶ姿勢は、非常に現実的で共感を呼ぶ結末です。

正しさよりも「生きること」を選んだ決断です。
清原圭介が向き合う父と拳銃の記憶
清原圭介は、23年前に父・和雄の拳銃を持ち去った人物です。
それは形見にしたいという少年の感情からでしたが、結果として拳銃を世の中から消した最初の嘘でもありました。
圭介は、直接誰かを殺したわけではありません。
しかし、自分の選択が23年後の事件につながった可能性から、完全に無関係でいることはできないと理解します。
再婚し、新しい家庭を築いている圭介にとって、過去と向き合うことは簡単ではありません。
それでも圭介は、父の死と拳銃の問題に区切りをつけるという選択をします。
こうして4人は、同じ過去を持ちながらも、それぞれ異なる結末を生きることになります。
『再会』の結末は、誰かが救われて誰かが罰せられる物語ではありません。
「選んだ結果を引き受けて生きていく」という、静かで重い余韻を残して物語は幕を閉じます。
まとめ 再会が描いた真実とドラマ版で注目すべきポイント
『再会』は、犯人探しを目的としたミステリーでありながら、本当のテーマは「罪と向き合う人生の選択」にあります。
23年前、小学生だった4人が経験した出来事は、その場では「なかったこと」にされました。
しかし、隠した罪は消えず、時間をかけて人生のあらゆる場面に影を落としていくという現実が、この物語では徹底して描かれています。
※吹き出し:過去は終わらせたつもりでも、過去のほうが終わってくれない。
佐久間直人は、守ろうとした行為が殺人に変わった結果を引き受け、逃げないことを選びました。
飛奈淳一は、自分と同じ過去を背負う仲間を、刑事として逮捕する決断を下します。
岩本万季子は、母として現実を生きることを選び、完全な正しさよりも「守るべきもの」を優先しました。
清原圭介は、父の死と拳銃の記憶に向き合い、「無関係ではいられない自分」を受け入れます。
この物語には、完全な被害者も、完全な悪者も存在しません。
あるのは、恐怖・保身・優しさ・正義感が重なった結果としての選択だけです。
だからこそ『再会』は、「もし自分だったらどうするか」を強く問いかけてきます。
正しい選択をしたかどうかではなく、選んだ結果を引き受けて生きられるか。
それが、この作品が最後に読者へ突きつける問いです。
2026年1月13日から放送されるテレビ朝日系のドラマ化作品では、原作で丁寧に描かれた心理描写が、映像と俳優の演技によってどう表現されるのかが最大の見どころになります。
すでに結末を知っている状態でドラマを視聴すると、登場人物の沈黙、視線、間の取り方ひとつひとつが、まったく違う意味を持って見えてくるはずです。
『再会』は、再び会うことで救われる物語ではありません。
再び向き合わざるを得なくなる物語です。
重く、苦しく、それでも目を逸らせない──そんな余韻を残す作品として、ドラマ版でも強い印象を残すことは間違いないでしょう。

