「家事で泣いたことはありますか?」
専業主婦、働くママ、育休パパ…それぞれの立場で家事と向き合う人々の葛藤を描いた小説『対岸の家事』が、多部未華子さん主演でドラマ化されます。
「家事は仕事か? それとも愛情表現か?」
この作品は、家事に対する価値観の違いや、育児の孤独、家庭のリアルな問題がリアルに描かれており、多くの読者の共感を呼びました。
この記事では、原作小説『対岸の家事』の詳しいあらすじ(ネタバレあり)を紹介し、ドラマ版との違いや見どころを徹底解説します。
ドラマを見る前に、原作のストーリーを予習しておきたい方はぜひご覧ください!
『対岸の家事』のあらすじ(ネタバレあり)
専業主婦、働くママ、育休パパ——それぞれの立場で家事に向き合う人々の葛藤を描いた『対岸の家事』。
家庭のリアルな問題をテーマにしたこの作品は、「家事とは何か?」という問いを読者に投げかけます。
ここでは、主人公・村上詩穂を中心に、物語の詳しいあらすじ(ネタバレあり)を紹介します。
登場人物たちがどのように悩み、成長していくのか、その過程を詳しく見ていきましょう。
専業主婦・村上詩穂の孤独な日々
主人公の村上詩穂(むらかみ しほ)は27歳の専業主婦。
居酒屋で働く夫・虎朗(とらお)と、2歳の娘・苺(いちご)と3人暮らしをしています。
幼い頃に母を亡くし、父と二人きりの生活の中で家事のすべてをこなしてきた詩穂は、「私は複数のことを同時にこなせない」と自覚し、働くことを選ばずに専業主婦になる道を選びました。
しかし、時代が変わり、共働きが当たり前の世の中に。
児童館で話しかけた女性はそそくさと立ち去り、陰では「今どき、専業主婦なんて珍しい」と噂される始末。
同じ立場の専業主婦は、周囲にはほとんどいませんでした。
「誰とも話さずに一日が終わる」
そんな孤独な日々の中で、詩穂は「自分は間違った選択をしてしまったのではないか」と不安を感じ始めます。
そんなある日、隣人でワーキングマザーの長野礼子(ながの れいこ)と出会うことになります。
ワーキングマザー・礼子との出会いとすれ違い
長野礼子(ながの れいこ)は35歳のワーキングマザー。イベント会社で働きながら、3歳の息子と生後半年の娘を育てています。
しかし、彼女の夫は仕事が忙しく、家事も育児もほぼ一人でこなしている状態です。
ある日、玄関で締め出されてしまった礼子とその息子、アツマサくんを助けたことをきっかけに、詩穂は礼子と距離が縮まったように感じていました。
しかし、礼子はどこか詩穂を見下すような態度をとります。
「専業主婦なんて暇でしょう?毎日なにしてるの?」
この言葉に傷つきながらも、詩穂は礼子との距離を縮めようとします。
そんな時に、礼子は育児と仕事の両立に限界を感じ、ふと気が緩んだ瞬間にフラフラと階段を登っていきます。
その様子を見た詩穂は、「このままでは危ない」ととっさに礼子を引き止めます。
その後、礼子は初めて涙を流しながら「私はずっと、誰にも頼れないと思っていた」と詩穂に本音を打ち明けます。
この出来事を通じて、二人は次第にお互いを理解し始めるのです。
育休パパ・中谷達也との対立と変化
次に詩穂が出会ったのは、育児休暇を取得して子育てをするエリート公務員・中谷達也(なかたに たつや)です。
彼は外資系企業で働く妻の代わりに、1歳の娘の育児を担当するために2年間の育休を取得しました。
中谷は「育児や家事も合理的にこなすべき仕事」と考えており、「専業主婦は社会的に価値が低い」という持論を持っています。
そのため、専業主婦である詩穂を「世間知らず」と批判し、冷たい態度をとります。
「専業主婦なんて、非効率の極みだよね?」
詩穂は中谷の言葉に反発しながらも、中谷の娘と自分の娘が仲良くなったことで、彼と向き合う機会が増えていきます。
次第に、中谷が育児や家事を完璧にこなそうとするのは、彼自身が幼少期に厳しい教育を受けて育ったことが影響しているとわかってきます。
中谷は、母親の影響で「自分で何もかもできなければならない」という強い思い込みを持っていたのです。
そんな彼も、詩穂や礼子と関わるうちに、「子育ては一人で抱え込むものではない」と気づき、少しずつ態度が変わっていきます。
詩穂を襲う脅迫の手紙
そんな中、詩穂の自宅の郵便受けには、「専業主婦なんていなくなればいい」という不気味な脅迫状が投函されるようになりました。
「どうしてこんなことを?」
誰が書いたのかもわからず、次第に恐怖を感じる詩穂。
しかも、その手紙には「中谷と詩穂が不倫している」という事実無根の内容まで書かれるようになり、詩穂は夫の虎朗に疑われることになります。
家を飛び出した詩穂は、かつて礼子と訪れた給水タンクの上で一人たたずみます。
やがて、中谷が夫・虎朗の誤解を解き、夫婦の間にあった、わだかまりも少しずつ埋まっていきます。
手紙の犯人と驚きの真相
詩穂への嫌がらせの手紙を書いていたのは、シングルマザーの白山はるか(しらやま はるか)でした。
彼女はかつて「専業主婦になりたかった」のに、それが叶わず、詩穂の生活に嫉妬し、悪意を抱いていたのです。
しかし、詩穂はそんな白山に対し、怒りをぶつけるのではなく、「あなたは一人じゃない」と優しく手を差し伸べます。
この瞬間、白山は自分がしてきたことを悔い、涙を流します。
「助けを求めてもいいんだよ。」
そう伝える詩穂の言葉に、白山は少しずつ心を開き始めます。
結末:詩穂の新たな決意
物語のラストでは、詩穂が亡き母の言葉「ゆっくり、ゆっくり」を胸に刻みながら、主婦として生きることを改めて決意します。
「専業主婦が減っても、私はひとりじゃない」
かつては孤独を感じていた詩穂でしたが、礼子や中谷、そして白山との出会いを通して、「助け合うことの大切さ」を知ることができました。
最後に、詩穂は長年会っていなかった父親のもとを訪れます。
「母の引き継ぎをしなくちゃいけないから。」
彼女は、家族を支えることの意味を改めて見つめ直しながら、前へと歩き出すのでした。
『対岸の家事』とは?原作小説の基本情報
『対岸の家事』は、家事や育児を通じて「家庭の在り方」や「社会の変化」を問いかける作品です。
リアルな描写と共感を呼ぶストーリー展開で、多くの読者の心をつかみました。
ここでは、原作小説の基本情報や、タイトルに込められた意味、著者について詳しく解説します。
原作を読んでからドラマを見ることで、より深く作品を楽しめるはずです。
原作小説の概要
『対岸の家事』は、朱野帰子(あけの かえるこ)さんによる小説で、2018年に講談社より刊行されました。
その後、2020年に講談社文庫として文庫化され、多くの読者の共感を呼んだ作品です。
- タイトル:対岸の家事
- 著者:朱野帰子(あけの かえるこ)
- 出版社:講談社
- 初版発行:2018年(単行本)、2020年(文庫版)
- ジャンル:現代文学、ヒューマンドラマ
- ページ数:単行本 320ページ / 文庫版 352ページ
本作は、家事や育児をテーマにした作品でありながら、単なる日常の描写にとどまらず、「専業主婦」「ワーキングマザー」「育休パパ」「シングルマザー」など、さまざまな立場の人々の視点を交えて、家庭のあり方や社会の変化をリアルに描いています。
著者・朱野帰子(あけの かえるこ)とは?
朱野帰子さんは、働く人々のリアルな悩みや葛藤を描く作風で知られる小説家です。
- 代表作:『わたし、定時で帰ります。』『対岸の家事』『駅物語』など
- 特徴:現代社会の問題をテーマにしながらも、ユーモアや希望を感じられる作風が魅力
特に、『わたし、定時で帰ります。』は2019年にTBSでドラマ化され、働き方改革やワークライフバランスに対する関心を高めるきっかけとなりました。
『対岸の家事』も、家事や育児にまつわる問題を通じて、「仕事とは? 家庭とは? 幸せとは?」といった問いを読者に投げかける作品になっています。
『対岸の家事』のタイトルの意味
タイトルの『対岸の家事』は、ことわざ「対岸の火事」をもじったものです。
「対岸の火事」とは、「自分には関係のない他人のトラブル」という意味ですが、本作では「火事」が「家事」になっています。
これは、「家事や育児の大変さを、まるで他人事のように見てしまう社会のあり方」を問いかける意味が込められていると考えられます。
また、作中の登場人物たちも、最初はお互いの家庭事情を「対岸のこと」として捉えています。
しかし、物語が進むにつれて、「家事は一人で抱え込むものではなく、支え合うもの」という気づきを得るようになります。
どんな人におすすめの作品?
『対岸の家事』は、以下のような人におすすめの小説です。
- 専業主婦やワーキングマザーとして、家事や育児に奮闘している人
- 育児や家事の負担に悩んでいる夫婦やカップル
- 育休を取る男性や、家事に積極的に関わる男性
- 家事や育児の役割分担について考えたい人
- 「家事は誰の仕事なのか?」というテーマに関心がある人
本作を読むことで、家事や育児に対する考え方が変わるかもしれません。
また、登場人物それぞれの視点から描かれるストーリーには、「自分にも当てはまる」と感じる部分がきっとあるはずです。
『対岸の家事』ドラマ化!原作との違いは?
2025年4月から、TBS系で毎週火曜よる10時に、多部未華子さん主演のドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』が放送されます。
本作は、朱野帰子さんの同名小説を原作としたヒューマンドラマで、家事や育児に奮闘する人々のリアルな姿を描くお仕事ドラマです。
ここでは、ドラマ版の基本情報や原作との違い、ドラマならではの見どころについて紹介します。
ドラマ版『対岸の家事』の基本情報
- 放送開始日:2025年4月スタート
- 放送時間:毎週火曜よる10時~
- 放送局:TBS系
- 主演:多部未華子
- 原作:朱野帰子『対岸の家事』(講談社文庫)
- 脚本:青塚美穂、大塚祐希、開真理
- 演出:竹村謙太郎、坂上卓哉、林雅貴
- 制作:TBSスパークル / TBS
【キャスト一覧】
役名 | 俳優 |
---|---|
村上詩穂(主人公・専業主婦) | 多部未華子 |
長野礼子(ワーキングマザー) | 江口のりこ |
中谷達也(育休パパ・エリート公務員) | ディーン・フジオカ |
村上虎朗(詩穂の夫) | 一ノ瀬ワタル |
村上苺(詩穂の娘) | 永井花奈 |
中谷樹里(中谷の妻・キャリアウーマン) | 島袋寛子 |
蔦村晶子(元保育士・不妊に悩む主婦) | 田辺桃子 |
今井尚記(礼子の職場の後輩) | 松本怜生 |
長野量平(礼子の夫) | 川西賢志郎 |
ドラマ版『対岸の家事』の見どころ
【1. 主人公・詩穂を演じるのは多部未華子さん!】
主人公・村上詩穂を演じるのは、多部未華子さん。
多部さんは『私の家政夫ナギサさん』『これは経費で落ちません!』などで、リアルな社会問題を扱う作品に定評がある女優さんです。
詩穂は、母を早くに亡くし、家事をこなすことが当たり前だった専業主婦。
多部さんがどのように「家事を仕事として受け入れつつも、孤独や葛藤に悩む女性」を演じるのかが大きな見どころです。
【2. ドラマならではの“共感ポイント”が満載!】
ドラマ版のテーマは、「家事って、誰の仕事?」。
働く母親、専業主婦、育休パパ、独身キャリアウーマン、それぞれの立場で「家事の役割」をどう考えるかが描かれます。
★こんなシーンに共感できるかも!★
- 「私ばっかり家事してる…」とモヤモヤする詩穂
- 仕事と家事に追われる礼子が「もう無理」と涙する場面
- 育休パパ・中谷が「育児を効率化すればいい」と冷静すぎる発言
- 夫の帰りが遅く、ワンオペに苦しむ主婦のリアルな現実
どんな立場の人でも「わかる!」と共感できるエピソードが散りばめられているのがポイントです。
【3. コメディ要素も!“家事”をお仕事ドラマとして描く新感覚ドラマ】
ドラマのコンセプトは「家事という終わりなき仕事をテーマにした新たなお仕事ドラマ」。
「家事は仕事なのか? 愛情表現なのか?」という問いに、ユーモアを交えながら向き合うストーリーになりそうです。
「クスッと笑えて、共感して、最後にはホッとする。」
そんな新感覚の家事ドラマになることが期待されています!
ドラマ版『対岸の家事』と原作小説の違いは?
ドラマ版では、原作をもとにしながらもオリジナル要素が追加されることが予想されます。
【予想される主な違い】
項目 | 原作小説 | ドラマ版 |
---|---|---|
物語の形式 | 連作短編集風(各章ごとに異なる主人公) | 詩穂の視点を中心に描くストーリー形式 |
コメディ要素 | 比較的シリアスな場面が多い | 家事の大変さをユーモアを交えて描く |
脇役の掘り下げ | それぞれの家庭事情が丁寧に描かれる | 礼子や中谷にスポットを当てる可能性 |
エンディング | 白山はるかとの和解で完結 | ドラマ版オリジナルの展開がある可能性 |
原作は、各章ごとに異なる登場人物の視点で物語が進む「連作短編集」のような構成ですが、
ドラマでは、主人公・詩穂を軸にしながら、周囲の登場人物たちの問題を深掘りしていく形になる可能性があります。
また、「家事をお仕事ドラマとして描く」というコンセプトから、ドラマ版ではユーモア要素が加わることも特徴的です。
『対岸の家事』ドラマの見逃し配信はどこで見られる?
『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』は、放送終了後に以下の動画配信サービスで見逃し配信される可能性があります。
- U-NEXT(※過去のTBSドラマの配信実績あり)
- TVer(1週間の無料配信がある可能性)
- Netflix / Hulu(※未定だが、後日配信される可能性も)
公式発表があり次第、最新情報を追記します!
ドラマ版『対岸の家事』に期待!
ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』は、家事をテーマにした新しいタイプのドラマとして注目を集めています。
★ドラマ版のポイントまとめ★
- 多部未華子さん主演で、専業主婦のリアルな葛藤を描く!
- 家事を「お仕事ドラマ」として新感覚で楽しめる!
- 原作のシリアスさに、ドラマならではのユーモアをプラス!
- ワーママ・専業主婦・育休パパ、それぞれの立場を描き共感度UP!
放送開始が楽しみですね!
まとめ:『対岸の家事』は現代社会に問いかける感動作
『対岸の家事』は、専業主婦・ワーキングマザー・育休パパなど、さまざまな立場の人が家事や育児に向き合う姿をリアルに描いた作品です。
✔ 家事は仕事か、それとも愛情か?
✔ ワーママ vs 専業主婦の対立はなぜ生まれるのか?
✔ 育児や家事の「助け合い」はどこまで可能か?
こうした現代のリアルな問題を、読者に問いかける内容となっています。
2025年4月から放送されるドラマ版では、多部未華子さん主演で、よりユーモラスに「家事と仕事のリアル」が描かれる予定です。
原作小説を読んでからドラマを見ることで、より深く楽しめること間違いなし!ぜひこの機会に、原作もチェックしてみてください。