2025年12月上旬から、XやYouTube上で「バリ島で日本人の高校生らしき集団が万引きしている動画がある」という投稿が一気に広がり、「日本人として恥ずかしい」「修学旅行生ではないか」といった声が相次いでいます。
その中で、防犯カメラ映像に映った黄色いタグや日程が京都の大谷高校の修学旅行と同じではないかと指摘するユーザーも現れ、次第に「大谷高校 バリ島 修学旅行 万引き」という形で語られるようになりました。
この記事では、こうした一連の流れについて、報道や公開されたSNS投稿など一次情報として確認できる範囲をもとに、できるだけ落ち着いて整理します。
あわせて、どこまでが事実として確認されているのか、どこからが噂や憶測なのかを分けて解説し、未確認の情報は「断定しない」方針でまとめていきます。
大谷高校 バリ島修学旅行“万引き疑惑”とは?事件の全体像
まずは、今回の騒動がいつ・どこで・どのように起きたとされているのか、そしてどのように世界へ広がっていったのかを、時系列に沿って整理します。
ここでは、海外メディアの報道や現地での投稿など、比較的事実に近いと考えられる部分に絞って見ていきます。
2025年12月3日 バリ島ウブドの土産物店で何が起きたのか
騒動のきっかけは、2025年12月3日にインドネシア・バリ島ウブド地区の土産物店で撮影されたとされる防犯カメラ映像です。
映像には、複数の若い団体客が店内で衣類を手に取り、会計を通さずにリュックサックなどへ入れている様子が映っていたと報じられています。
店主がその後に在庫を確認したところ、およそ10点〜20点ほどの衣類が不足していたとされ、この出来事が「日本人観光客による万引き事件」として現地で話題になりました。
この段階では、犯行グループがどこの学校の生徒なのか、日本人なのかどうかといった点は明らかになっておらず、あくまで「日本人観光客とみられるグループ」という表現で語られていました。
店主は「普段は日本人客のマナーが良いため驚いている」といった趣旨のコメントをしたとされ、現地の人々の間でも衝撃が広がったと報じられています。
12月5日〜6日 現地SNSと海外メディアで急速に拡散
問題の映像は、12月5日頃から現地のSNSで急速に拡散し始めました。
バリ島在住のユーザーが「日本からの修学旅行生による万引き事件があった」といった内容を投稿し、防犯カメラの映像とともにシェアしたことで、一気に視聴回数が伸びていきました。
コメント欄には、「日本人がこんなことをするなんて信じられない」「非常に残念だ」といった驚きや失望の声が多数寄せられたとされています。
バリ島、12月3日。
— バリ島詐欺情報 (@SachiyoGaruda) December 5, 2025
ウブド、カジェン通りの土産物店で万引きする複数の日本人達。
10枚の衣類が盗まれているそうだ。
黄色のタグをつけているので団体旅行客のもよう。
既に地元のインスタグラムやThreadsで話題となっている。 pic.twitter.com/a9qVdAGWIi
その後、海外メディアもこの話題を取り上げ、インド英語紙Free Press Journalが2025年12月6日に記事を掲載したことで、英語圏のニュースとしても広まりました。
記事では、バリ島ウブドの土産物店で日本人とみられる団体客による万引きがあったこと、店内の防犯カメラ映像がSNSで拡散していることなどが紹介され、日本人観光客のマナーに関する議論も生まれています。
12月5日〜7日 日本国内で「大谷高校」の名前が取り沙汰されるまで
一方、日本国内では12月5日頃から「バリ島 万引き」「日本人 修学旅行生」などの検索が急増しました。
映像を見た一部のユーザーが、犯行グループが着用している黄色い識別タグや制服風の服装に注目し、「京都の大谷高校の修学旅行生のものと似ているのではないか」と指摘したことが、X上で共有されるようになります。
▼日程がスクショされたもの
大谷中学高等学校
— 🌈伊良間千帆🌈 与那嶺市市議会議員☔SMASH🕙️ (@irrumatiho) December 5, 2025
12月3日
バリ島コース【最終日】ウブド市内探索https://t.co/SAwxEkICvj pic.twitter.com/siDAV86dEt
さらに12月6日前後になると、日本のニュース解説系YouTubeチャンネルや個人配信者が、防犯カメラ映像と現地報道を紹介しながら、「大谷高校の修学旅行日程がちょうどこの時期にバリ島になっていた」「学校のホームページから修学旅行の記事が見られなくなっている」などの情報を取り上げるようになりました。

引用画像:Instagram
▼現在下記の情報は見れなくなっています。

これにより、検索欄に「大谷高校 バリ島 修学旅行 万引き」といったキーワードが並ぶようになり、学校名と事件がセットで語られるケースが増えていきました。
ただし、2025年12月8日時点で大谷高校側から公式の会見や詳細な説明は出ておらず、インドネシア側の捜査状況や日本大使館の対応についても一般向けの情報は限られています。
そのため、「大谷高校が関与した」と断定できる段階にはなく、あくまでSNS上で名前が取り沙汰されている状態であることを踏まえておく必要があります。
SNSでの拡散と世間の反応の特徴
続いて、Xを中心としたSNSでどのような情報が広まり、どのようなコメントが寄せられているのかを整理します。
ここでは、具体的な投稿内容をカテゴリー別に分けることで、世間がどのようなポイントに強い関心や怒りを持っているのかが分かるようにまとめていきます。
怒り・失望と「日本のイメージ」を心配する声
まず最も多いのが、日本人全体のイメージ低下を心配するコメントです。
「日本人として本当に恥ずかしい」「現地の人から見たら、日本人観光客はみんな同じに見えてしまう」「せっかく積み重ねてきた信頼が一瞬で崩れる」といった内容の投稿が多数見られます。
中には、「自分もバリ島に行ったことがあるが、現地の人は日本人にとても親切だった。その人たちを裏切るような行為はやめてほしい」「修学旅行という学校行事の中でこんなことをするのは悲しすぎる」と、自身の経験と重ね合わせて怒りや失望を表明するユーザーもいました。
こうした投稿は、事件そのものだけでなく、日本人観光客と現地との関係が損なわれることへの不安も含んでいます。
学校対応への不信と「説明不足では」という指摘
次に目立つのが、学校側の対応を疑問視する声です。
X上では、「大谷高校の公式サイトから修学旅行の記事が消えている」「サッカー部などのInstagramアカウントがこのタイミングで非公開になった」といった報告が複数投稿されています。
具体的には、「もし無関係なら『今回の事件とは関係がない』とはっきり否定すればいい。
「先にブログやSNSを消してしまうのは逆に怪しく見える」「土日だから何も発表しないのではなく、早めに学校としての方針を伝えたほうが良い」といった意見が代表的です。
中には「このままダンマリを続けると、学校の存続にまで影響が出るのでは」と、危機管理の観点から説明を求める声もあります。
一方で、「未成年が関わるかもしれない事案なので、学校が慎重になっている可能性もある」「法的な整理が終わる前にコメントするのは難しいのでは」と、学校側の事情を推測する投稿もあり、すべてが一方的な批判というわけではありません。
常習犯疑惑や修学旅行中止論などの声
防犯カメラ映像を見たユーザーの中には、「動きが手慣れている」「見張り役と品物を入れる役に分かれているように見える」といった印象から、常習犯なのではないかと推測するコメントも少なくありません。
「地元でも同じことを繰り返していたのでは」「日常的に万引きをしていたグループなのでは」といった書き込みが散見されます。
また、「こうした一部の行動のせいで、今後ほかの生徒の修学旅行が中止になってしまうかもしれない」「自分の学校でも、昔の先輩の問題行動が原因で行事がなくなったことがある」と、自身の経験から修学旅行そのものの存続を心配する声も上がっています。
一方で、「映像だけを見て常習犯と決めつけるのは危険」「裏付けのないまま噂を広げるのは避けるべきだ」といった冷静な指摘もあり、意見は分かれています。
差別的・過激な投稿と情報との距離の取り方
中には、「日本の国籍を剥奪するべきだ」「海外で犯罪を犯したら一生パスポートを発給しないでほしい」といった過激な処罰を求める声や、「関西の高校だから」「私立だから」といった属性を理由にした差別的な表現も見られます。
こうした投稿は、怒りや不安といった感情が先行しており、事実関係の整理とは別問題と考える必要があります。
また、未成年とみられる人物の顔写真や実名を特定しようとする動きも一部で見られますが、誤った情報が出回った場合には、無関係な人物に重大な被害が及ぶ可能性があります。
そのため、「疑わしいから」という理由だけで個人情報を拡散することには大きなリスクがあり、法的にも倫理的にも慎重さが求められる状況と言えます。
まとめ
ここまで見てきたように、バリ島ウブドの土産物店で日本人団体客とみられるグループによる万引き被害が報じられ、その防犯カメラ映像が世界中に拡散していることは事実として確認できます。
また、その過程で大谷高校の名前がSNS上で取り沙汰されていることも、検索結果や投稿状況から明らかです。
一方で、大谷高校側の公式コメントは2025年12月8日時点で公表されておらず、インドネシア側の捜査や日本大使館の対応についても詳細は明らかになっていません。
学校と事件の関係を断定できる段階にはなく、現時点では「確定情報」と「噂」を分けて考える姿勢が何より重要だと言えます。
SNSでは、「日本人として恥ずかしい」「早く説明すべきだ」といった比較的冷静な意見から、「国籍を剥奪するべき」「地域全体を批判する」といった極端な声まで、さまざまな感情が渦巻いています。
こうした投稿は世論の空気を知る手がかりにはなりますが、感情の高ぶりがそのまま正しい結論につながるとは限りません。
特に未成年が関わる可能性が高い事案では、個人名や顔写真を特定して拡散する行為は、誤情報だった場合に取り返しのつかない被害を生むおそれがあります。
本記事は、あくまで公開情報にもとづく「状況整理」の記事として作成しています。
今後、学校や関係機関から新しい発表があった場合には、その内容を確認したうえで必要に応じて加筆修正を行っていくことが前提です。
読者の方も、単発のSNS投稿だけで判断するのではなく、複数の情報源を照らし合わせながら、できるだけ冷静に状況を見守る意識を持っていただければと思います。

